いざ「肥料」を選ぼうとすると、パッケージには、さりげなく「3要素」比率の数字が表記されています。何にどう効果があるのでしょう。数字が多い方が、効果がある印象がありますよね。
実はこの数字、とても意味があります。
3要素比率は「私バカね」で覚える
これら「3要素」の効果は以下の通り。
ざっくり言うならば、こうなります。
- チッ素・・・「葉(ば)」
- リン酸・・・「花・果(か)」
- カリウム・・・「根(ね)」
ですからこの歌で覚えるのがぴったり。
私馬鹿よね~お馬鹿さんよね~♪。細川たかしさんの歌です。世代的にご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、覚えやすい3文字です。
【比率の数字】
例えばチッ素6.5と書いてあったら、100g中にチッ素が6.5g含まれているという意味です。
それでは以下に、定番人気の肥料
にふれながらチェックしていきましょう。
微粉ハイポネックス
まずは、以下「微粉ハイポネックス500g」の肥料。
このパッケージには「チッソ6.5、リンサン6、カリ19」とあります。
「3要素」は
- チッ素「葉(ば)」6.5
- リン酸「花・果(か)」6
- カリウム「根(ね)」19
となります。
つまり、上画像の「微粉ハイポネックス500g」は、「根(ね)」の比率が多い事が分かりますよね。
この「根(ね)」に効果があると言われている「カリウム」は、細胞壁を厚くするので葉にも効果を期待できます。
花つきの良さよりも、葉や根を元気にしたい時に使う肥料と言えます。
【 微粉ハイポネックス 】
水で薄めて使うタイプ。ハーブ・観葉植物・水耕栽培(ハイドロカルチャー)・山野草向き。日陰に置いていて弱ってしまった苗や、植え付け・植え替え時の根張りを助けたい時、葉の艶を良くしたい時にも使えます。
3要素の後ろにある中要素
この他、この「3要素」の後ろにも数字がある肥料がありますよね。
「カルシウム」と「マグネシウム」を加えたもので、一般的に「肥料の5要素」と呼びます。それぞれの効果は以下のとおり。
- カルシウム:植物のからだ全体を丈夫にして細胞を強化する
- マグネシウム:リンの吸収を助けて、植物内の酵素を活性化する
マグアンプK(中粒)
「3要素」の後ろに数字がある肥料といえば、お馴染み「マグアンプK(中粒)」。「マグネシウム」も表示されています。
このパッケージには「チッソ6、リンサン40、カリ6、マグネシウム15」とあります。
- チッ素:「葉(ば)」6
- リン酸:「花・果(か)」40
- カリウム:「根(ね)」6
- マグネシウム:「リン酸の吸収を助ける」15
数字は「リン」が1番大きく、「リン」の吸収を助ける「マグネシウム」が強化されていることから、花や実をつける植物に対して効果が高い肥料といえます。
この「マグアンプK」は、主に、苗の植え込み・植え替えの元肥として使われます。
水に溶ける成分、溶けない成分(微生物の働きでゆっくり溶ける)が混ざっていて、じんわりと溶けて効く構造。肥料の与えすぎで、根にダメージがかかることが少ない優れものです。
【 マグアンプK 粒の大きさ】
小粒・中粒・大粒の3種類あります。
花壇や肥料を切らせたくないバラなどには大粒、寄せ植えや一年草など全般的に使えるのが中粒、すでに植えられている苗の上に撒くのなら小粒といった具合に使い分けをすると効果的。
オールマイティに使える「中粒」は1つあると便利です。
植物が求める比率をあげよう
これら比率の数字、高いほうが効果ありそう!と思いますよね。
ところが、そうとも言えないのです。
例えば、チッ素「葉(ば)」は、植物細胞のタンパク質を構成する葉緑素を高めます。過剰にこの要素を強化すると葉ばかり茂ってしまう。カルシウム不足で弱ってしまうこともあります。
その植物に合った効果の比率が大事というわけですね。例えば、果樹で実をつけたいのに、チッ素「葉(ば)」の比率を高くしても、効果は期待できないわけです。
ここでもう1つ注目すべきことは「3要素」の合計です。
3大要素の合計をチェック
「3要素」が30%を超える場合は、ちょっと注意。
「高度化学肥料」と呼びますが、効き目が早いので、追肥したり野菜の栽培に向いています。
また「3要素」の合計が15%以上30%未満を「普通化学肥料」と呼びます。こちらは室内の観葉などにも向いている、一般的な肥料です。
ハイポネックス原液
その「普通化学肥料」の良い例に、王道の「ハイポネックス原液」があります。
比率の数字をチェックしてみましょう。
このパッケージには「チッソ6、リンサン10、カリ5」とあります。
- チッ素:「葉(ば)」6
- リン酸:「花・果(か)」10
- カリウム:「根(ね)」5
こちらも、リン酸「花・果(か)」が多いので、花や実に効果を期待できる割合になっていることが分かります。さきほどの「マグアンプK」よりも、比率のバランスが良いですね。
そして、「3要素」の合計が30%を超えていません。
水やりのときに濃度を変えて使える、オールマイティな液体肥料です。
【 ハイポネックス原液 6-10-5】
花や果実を充実させたい時に効果的。薄めて濃度を変える事で、様々な植物に使えるところが便利。一般的な草花の他、ランやサボテンにも使えます。
まとめ
肥料のパッケージに載っている「3要素」は、意味が分かると選びやすくなります。
比率の覚え方は、私「ばかね(N葉・P花果・K根)」。
肥料の3要素と使うタイミング
今回とり上げた肥料は、プロのガーデナーにも愛されている肥料です。1つ持っていると便利なものばかり。
強化したい植物や、元気にしたいタイミングで選びましょう。
肥料はこれらの他に、油かすや牛糞などの自然原料で作られている「有機肥料」があります。
ですが、室内やベランダで使うのならば、今回紹介した「化学肥料」の方が手軽。匂いも少なく、比率も分かりやすいでしょう。
肥料は、パッケージにある「ばかね(N葉・P花果・K根)」の数字をチェック。どの部分が大きいのかを知ると分かりやすくなります。
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