苔玉作りは楽しいけれど、植え方や管理で迷うことが沢山ありますね。そこで、気になるポイントをピックアップしました。
苔玉作りや育て方で気になる事
お急ぎの方は以下からどうぞ。ページジャンプします。
pick up
- 全部揃えるのは大変苔玉のキット
- ケト土以外で作りたいケト土を使わない方法
- 何を植えるの?苔玉に合う植物は?どんな苗がおすすめ?
- いつ植え替え?苔玉の植え替え・仕立て直し・寿命
- 苔がすぐ枯れる水やりと日当たり
- どんな苔を使うの?苔が一部だけ枯れたら
- ミズゴケがあるミズゴケで自由に楽しむ
ケト土(けとつち)と苔玉
(苔玉教室の様子)
一般的に苔玉は「ケト土」をメインに用土をこねて作ります。お子さんから年配の方まで幅広く楽しめるので人気があります。鉢もいらないので手軽です。
私も少し前に「ケト土」を使って秋からお正月に楽しめる苔玉を作りました。以下は生徒さんの作品。大きな苗だったので大玉になりました。
ケト土・富士砂・赤玉土・くん炭をこねて・・・苗を包み、ハイゴケ巻いて、テグスでぐるぐる。化粧砂利の上にちょこんとのせて完成です。
お正月が近かったので紅白を意識し、南天・コクリュウ・モクビャッコウを使いました。どれも丈夫で長く楽しめます。
ずっしりと重い用土。肥料成分を豊富に含んでいて水持ちが良い。2リットルで300円前後。粘土のように形を作りやすいので、苔玉作りの他に盆栽や山野草の石付に使われます。
ケト土を使った苔玉作り
苔の貼り方、テグスの巻き方がとても分かりやすいサイトを1つご紹介。
ケト土:赤玉土=7:3をこねて、苗の根元に「山野草の土」を入れて作る方法です。
苔玉の作り方
ケト土を使わない苔玉作り
「ケト土」は盆栽やビオトープには使いますが一般的な寄せ植えには使いません。余ってしまうと使い道に困りますよね。ケト土を使わずに作る事も出来ます。手が汚れてしまうのも苦手でしょうか。
それでは・・・ケト土を使わない方法を2つどうぞ。どちらのサイトも解説が分かりやすいです。
「ピートモス」を使う方法
苔玉とコケ:苔八さんより
植えた植物は元気なのに、苔が枯れるのがイヤ・・・。そんなときは、苔と植物を別々にする方法もあります。
「ネルソル」を使う方法
苔と植物、それぞれの特徴に合わせて管理できます。
こちらは「ネルソル」という用土だけで作る方法。とても手軽な植え方です。
苔園芸の情報サイト〜苔日和さんより
ネルソルとは
ピートモス、ゼオライト、バーミキュライト、粘着剤等が配合。
水を加えてこねて、粘りが出てきたら植物を植えつけます。
吸水性と保水性がよく、苗の固定や水やりに優れているのでハンギングやリースにも使えます。多肉を好きな配置に植えるにも便利。
苔玉に合う植物は?どんな苗がおすすめ?
いずれ大きくなる苗は手入れが大変。慣れるまではミニ観葉か、シダ類、コクリュウなどがおすすめです。ヒューケラ(ツボサンゴ)やワイヤープランツもいいですよ。堀り上げが必要ですが、スノードロップなどの小さな球根も可愛い。
大きな赤い実を楽しむ
もう少し大きな赤い実を楽しみたい場合、チェッカーベリーもおすすめです。上に大きく育ちません。チェッカーベリーは寒さに強く、蒸れに弱いので苔玉の環境に馴染みやすいのです。暑さは弱いので真夏の直射日光には気をつけましょう。
伸び伸びした葉を楽しむ
個人的には「コウモリラン」もおすすめ。樹木に着生して生きる植物です。
鉢植えよりも、こんな風に吊るして風通し良く過ごす方が本来の生育環境に合っています。白い産毛がとっても綺麗!大きさや種類は様々あります。
自由に伸びる葉が丸い苔玉と合います。
苔の上で四季を感じる植え方
上画像は私が9月に作った苔玉です。ちょっと珍しい苗が手に入ったので寄せ植えしたもの。テーマは紅葉。紅葉が終わった後も楽しめるように植えました。
苔玉に使った植物
- 白玉星草
- ドクダミカメレオン
- ハゼ
- 紅葉するシダ
- 苔:ハイゴケ+クラマゴケ
▼1番のお気に入りは「白玉星草」
8月~10月頃に小さな花が咲きます。金平糖草(こんぺいとうぐさ)とも言われる、なんとも可愛らしい1年草なのです。大好きですがあまり流通しません。1年で終わりと考えて育てるのが良いので、この植物が無くなったあとでも楽しめる植物を植えました。
秋が深まり、紅葉したハゼの葉が落葉した後はドクダミカメレオンが頑張ってくれるはず。
▼ドクダミカメレオン
ドクダミカメレオンは多年草。赤や黄のカラフルな斑が入り夏には花を咲かせますが、冬は地上部が無くなってしまいます。
でも、そのころにはハゼが頑張って綺麗な葉を見せてくれますからね。株元には紅葉するシダもあります。最終的にハゼとシダだけが残っても素敵な苔玉になります。
こんな風にテーマを決めて、苔の上で四季を感じられるように植えるのも楽しいですよ。
苔専門店の苔玉キット通販
近所の園芸店に目的の苗が無い、自宅にある苗で苔玉を作りたい、苗も含めて全部一度に揃えたい・・・。そんなときは「苗なし」または「苗付き」のキットを。安心の苔専門店からご紹介します。
苗なしキット
苗なし 苗以外を揃えたい方はモス・ファームさんが便利ですよ。
苔専門店なので苔の品質満足度レビューが高いです。ハイゴケ以外の苔もありますよ。
日向、半日陰、日陰で育つ苔について丁寧に紹介なさっています。苔について詳しく知りたい方はぜひ訪れてみてください。いろいろな苔の特徴を図解で教えてくれます。使いたい苔を混ぜてオリジナルにしても良いですね。
苗付きキット
苗付き 苗付きの苔玉のキットはみどり屋和草さんが豊富ですよ。
▲器に水をはるだけ。モスモスシリーズも可愛い
盆栽や枯山水を取り扱っています。可愛い器にヤマゴケが入ったモスモスシリーズ、釣り苔玉もありますよ。こちらのお店は購入後にメールや電話で相談も出来るので安心。
苗付きは数に限りがあるので無くなってしまったらごめんなさい。ガジュマル、テーブルヤシ、トクサ、梅など色々あります。
中でもガジュマルは幸せを招く精霊「キジムナー」が宿る植物として人気。カドのない丸い苔で包んで、円満な雰囲気に仕立てるのも縁起が良いですね。
苔玉の作り方・育て方
水やりと日当たり
霧吹きだけでは水分が足りません。苔の表面だけに水分が行き、植えこんでいる植物まで水分が届かないのです。苔もすぐに乾いてしまいます。
水を入れたバケツにドボンと入れて、小さな水泡が出なくなったら上げます。
何時間もつけちゃだめですよ。ほんの数分で大丈夫です。とはいえ、毎日つけこむと水分過多なので注意。常にジメジメさせておくと枯れてしまいます。
持ってみて、ちょっと軽いな・・・と思ったら、ドボン!です。日当たりが良く、風通しの良いところで育てましょう。
苔が一部だけ枯れたら
枯れた苔はこまめにとって、新しい苔をはりつけましょう。
そのへんに生えている苔は菌がある場合があるのでオススメしません。
オススメは「ハイゴケ」。よく流通しているので手に入りやすいです。強くてとても綺麗。私は屋外で何年も育てています。
ハイゴケに慣れたら色んな苔にチャレンジすると楽しいです。何種類か重ねて使うと深みが出ますよ。ただ、苔は常に販売されているとは限らないんですよね。私はホームセンターや園芸店をハシゴして苦労しました。
そんな時は、苔専門サイトモス・ファームさんが便利。
シンプルに苔を飾って楽しめるテラリウムもあります。苔玉でよく使われるハイゴケやシノブゴケで作られています。ちょこんと置くだけでも風情がありますよ。
まずは苔に慣れたい!という場合は、苔だけで育ててみて、自信がついたら苗を植えるのも良いのではないでしょうか。
苔玉の植え替え・仕立て直し・寿命
苔玉は可愛いけれど、植え替えのタイミング迷いませんか?寿命も気になりますよね。
手のひらに乗る程度の苔玉の場合、仕立て直しは2年~3年が相場です。根詰まりして元気が無くなったり、苔玉の横や下から根が出てきて土が足りないよ!と教えてくれる苗も出てきます。
気になる苗が出てきたら、古い根を取り除いて丁寧に作り替え。苔玉に出来なくなったら大きな鉢か地植えにしましょう。
▼こちらは私が作った苔玉の9か月後。7月です。
モクビャッコウ・十両・コクリュウです。
木製の茶卓に乗せて撮影しています。苔玉の横から十両の新芽が出始めていますね。選んだ植物は日当たり好きな植物ばかり。猛暑でも元気にしていましたよ。
▼十両。新しい実がついています(7月)
▼春に剪定したモクビャッコウの様子(9月)
モクビャッコウは木質化する植物なので、このまま苔玉で育てられません。ですが、ようやく新芽が出てきたところなので今はそっと見守ります。次に仕立て直す時に鉢へ移動する予定。
このように、年数に限らず植物の成長具合で植え替えや仕立て直しをするのが良いです。
ミズゴケで自由に楽しむ
ハイゴケが手に入らないけど何か作りたい!そんな時は、ミズゴケだけでも楽しく植えられます。丸い形にとらわれず自由にテグスで形を作ってしまいましょう。
上の画像はお気に入りの花屋さんにて。立体で考えると色々な形が出来ます。さりげないのですが、ヒヤシンス苗の底に枝を数本並べているのが分かりますか?こんな風に通気性を良くするのもアイディアですね!
可愛い苔玉、元気に育つといいですね。