森などに自生している美しいシダ「レインボーファン(コンテリクラマゴケ)」、ご存知でしょうか。環境によって色を変える面白い植物です。
流通時期が限られている貴重なシダなので、もしも園芸ショップで発見したらラッキー。乾燥に弱いので、テラリウムや苔玉に向いています。
今回は「レインボーファン(コンテリクラマゴケ)」の魅力や育て方を紹介します。
レインボーファン(コンテリクラマゴケ)は美しいシダ植物
photo by ハッピーガーデン
上画像のように、光や湿度の加減で様々な色に見えることから「虹色」の言葉を持つとも言われています。
個人的には、虹色というよりもタマムシ色、角度によっては紫色にも見えます。この不思議な色合いに魅せられる方も多いんですよ。
「レインボーファン」という名前の他に、別名「紺照鞍馬苔(コンテリクラマゴケ)」とも呼ばれています。案外、別名で探すと思いがけずに出会う事があります。
「苔」と名前が付いていますがイワヒバ科のシダ植物です。
クラマゴケの中でも優しい雰囲気
クラマゴケ(鞍馬苔)は何種類かあるので、似ている植物と間違えないようにしましょう。
「オニクラマゴケ」と形が似ていますが、「オニクラマゴケ」は葉色が濃く、茎も固い感じです。コンテリクラマゴケのように角度によって色を変えません。
▼オニクラマゴケ
photo by Wikipedia
レインボーファン(コンテリクラマゴケ)は、案外身近な存在です。少し湿り気がある林や森の中、緑豊かな県立公園などで出会う事があります。私は大きな木々が沢山あるところで野生化しているのを見た事があります。
弱そうに見えますが、環境が合えば繁殖力旺盛です。
湿度や光で変化する癒しの葉
レインボーファンの葉色は、エメラルドグリーンやコバルトなど、青みがかった緑色で呼ばれます。これは、森林に陽射しが差し込んだ色合いとよく似ています。
レインボーファン(コンテリクラマゴケ)は、強い光の下では葉の青みが無くなり緑色に。湿気の多い日陰では青みがかった緑色になります。
これらの色は、カラー心理でも、副交感神経を刺激して身心を落ち着かせると言われています。まさに自然の癒し色です。
生育環境を生かして育てる
育て方が難しそうなイメージですが、コツさえ掴めば長く鑑賞できるシダです。
場合によっては野外でも育てられますが、直射日光は苦手。とにかく乾燥に弱いので室内管理が無難でしょう。常緑で1年中葉があるので、テラリウムや単独育成がおすすめです。
テラリウム
アロマキャンドルの器を利用して。
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photo by charm|コンテリクラマゴケ
単独で育てる
photo by charm|コンテリクラマゴケ
観葉植物との寄せ植えならば、比較的育てやすいです。個人的には、他の植物と寄せ植えせずに単独で育てる方が安心。
とにかく乾燥に弱いので、他の花苗との水分バランスが合わない事が多いためです。
単独ならば気兼ねなくミストしたり、風通しの良い場所へ移動させたり出来ます。レインボーファン(コンテリクラマゴケ)の美しさを、単独で存分に味わうのも良いと思いますよ。
レインボーファンの育て方
いちばんの不安材料は水分の与え方ですね。湿気が好きな植物で、葉から水分を吸収できるので葉水をかけると良いですよ。葉には生育環境に近いミストをあげると喜びます。
ただ、常にじめじめしていると根腐れします。水やりはメリハリをつけましょう。土の表面が乾いたらたっぷり。そして状況を見ながら葉水をあげます。
\ 繊細なミスト・軽い力でたくさん噴霧 /
乾燥して茶色い葉になったら
乾燥に弱いので、うっかり一部の葉を茶色くしてしまう事があります。これは本来の生育環境と違うので仕方がありません。私も経験済みです。
パリパリに乾いた茶色の葉は復活しません。枯れた枝は思い切って剪定しましょう!
少しでも養分を元気な葉へ与えるためにも、枯れた部分をカットした方が良いのです。茎の長さは1m位まで成長するので、長い場合はカットして挿し木すると増やせます。春か秋に挑戦してみてくださいね。
ほとんど枯れてしまった!と思っても、諦めずに根元をチェックしてみてください。まだ根が生きている事も多いです。他の茎に緑色の葉があれば、希望が持てます。
おすすめ!日の当たらない室内に効果的な液体肥料
日当たり、水やりもちゃんとしているのに元気がない・・・。
そんなときは液体肥料もお試しください。ペンタガーデンは園芸ショップに勤務していたときにショップ奥の観葉植物に与えていた肥料です。
日陰の植物を元気にしますよ。
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まとめ
エメラルドグリーン色の葉が変化する魅力的なシダ植物「レインボーファン(コンテリクラマゴケ)」の紹介でした。
育てるうえで大事なポイントは以下2つ。
- 乾燥させない
- 直射日光に当てない
カットした枝は挿して増やせます。
あまり流通しないので、見かけたらぜひ手に取って葉をご覧ください。ただ、園芸ショップでは乾燥している事が多いので、葉色が想像と違うことがあります。
▼ある日の園芸ショップで撮影
ご自宅に連れて帰ったら、霧吹きをして水分と陽の光の角度を楽しんでみてください。
森を切り取ったような美しいシダ、育ててみませんか。