春めいてきた時に、秋植え球根を植えておけばよかった!と思うことがありませんか。
球根を植えたとしても、ちゃんと地中で育っているのか不安もあります。球根は植えるタイミングを逃すと元気に育てるのは難しいですよね。
そんな場合は「芽出し球根」がおすすめです。
1月以降でも球根は育てられる!花芽がついた球根の苗
クリスマスが終わった頃から、既に花芽が出ている球根苗が流通します。それを「芽出し球根」といいます。
▼芽出し球根
こんな風に既に芽が出ている状態で、ビニールポットや鉢に入っています。
春を先取り!芽出し球根とは
春になる少し前から、お花を楽しめるのが「芽出し球根」です。
- 秋に植えた球根よりも1か月前後早く咲くように温度管理された苗
- すでに花芽が出た状態まで育っているので、ちゃんと花を楽しめる
- 寒い時期に咲くので、お花が長持ちする
球根は花が咲くまでに、色々アクシデントがあるものです。
例えば・・・水栽培の場合、中に根を折ってしまい大きく育たなかったり、寄せ植え鉢に深く植え過ぎて芽が出なかったり。植えるタイミングや水分量を間違えてしまったり。
「芽出し球根」はそんな育成の過程をプロの方が手をかけてくれている状態なので、安心してお花を楽しめるというメリットがあります。
「芽出し球根」は、鉢で育てるだけではなく室内で楽しむ方法もあります。寒い冬に、室内で春を感じられるお手軽ガーデニングです。
以下にアイディアをいくつか紹介します。
冬に咲く!芽出し球根の植え方アイディア
いちばん手軽な「ヒヤシンスの芽出し球根水栽培」と、「自然素材を使った植え付け例」を紹介します。
コップで育てる!芽出し球根「ヒヤシンス」の水栽培
ヒヤシンスは存在感もあり、美しい花色も沢山あるオススメの球根。たった1球、お部屋で咲いているだけで香りが広がり癒されます。
花芽の状態で様子を見ましょう。
- 花芽が出ていない ⇒ 寒さに当てる。ただし霜には注意
- 既に花が付いている ⇒ そのまま温かい室内で2~3週間楽しむ
土が無くても育てられる
芽出し球根は、土が無くても育てられます。根をやさしく扱って土を洗い流し、根に当たる程度に水が浸かるようにします。
球根は根から水分を吸収します。丸い部分まで浸すと球根を痛めますから、水位には気をつけます。
根をやさしく洗って、コップに入れるだけでOK。とても簡単です。大きな砂利などを敷いて軽く固定しましょう。
photo by 花芽付き球根 | iBulb Japan
おすすめポイント
このとき、ミリオンA(ケイ酸塩白土)を1~2割程度底に敷くと根腐れ防止効果が高くなります。多少多めに敷いても問題ありません。水が綺麗な状態が続くので、ぜひ使ってみてください。植物にミネラルを供給して生育を促進します。水苔を使う植物の植え付けにも便利。おすすめです。
大袋もありますが、100gの小さなパッケージで300円前後でも販売しています。まずはお試しでどうぞ。
ミリオンA(ケイ酸塩白土)
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芽出し球根を自然素材に植え付ける
自然素材を使って植えこむと、温かみ感じます。雪解けの春に芽を出したようなイメージになり、心和みます。
今回は「水苔」を使う方法を4つ紹介します。思い立ったらすぐに作る事が出来て、とても手軽。シーズンが終わったら簡単に片付けられます。
水苔の準備
水苔は、ひたひたのお水に入れて十分に水分を含ませ、柔らかくしておきます。根に巻くときには軽く絞って使います。
ガラスの器に砂利と水苔を入れて
この球根はスノードロップ。球根の中でもいち早く咲いて春を知らせてくれるお花です。
砂利を置くことで、余計な水分がいつまでも根に行かないようにしています。先ほどご紹介したミリオンA(ケイ酸塩白土)をひとつまみ敷いておくと、根腐れ防止に一役買いますよ。
ハイドロカルチャー、欄の植え込み、寄せ植え鉢にと用途が多いので重宝します。
水苔で根を包みにくいときは、お団子状に丸めた水苔のまわりに根がいきわたるようにするとうまくいきます。この方法は蘭の植え替えでも同じです。根に無理な力がかからないようにしましょう。
麻布に包んで吊るす
自由度の高い植え方。ムスカリも室内で育てられますよ。
水苔に包んだ苗を麻紐で軽く絞って空中にぶら下げます。少々ピンぼけしてますが、画像右下をご覧ください。麻紐やラフィア(ヤシの葉などで出来ているクラフト紐)で包んでます。
空中に吊るすことで通気性が良く、根腐れも防げます。そして好きな場所で育てられる楽しさがありますね。
リースを器に見立てて森の一部のように
(▼リースは立てて使うのが一般的ですね)
春が来た!と思うような植え方。陽の当たる窓側で育てると良いですね。土や苔が表面に出ているのでベランダでも良いですが、霜がつくような冷たい温度の場合はお部屋に取り込みます。
浅い籠に植えこみ、リースを横にしてかぶせてくくってあります。リースを使うことで器としての深さや厚みを持たせています。籠とリースをワイヤーでくくって、深い器の出来上がり。
浅い籠が無ければ、細かい目のメッシュやチキンネットなどを敷いて水苔を乗せてもOK。数か所ワイヤーや麻紐でくくれば固定も楽です。
リースが無ければ、細い枝をまとめても良いですよ。
色々な高さで水苔のタワー
音符のような楽しい植え方。こちらも器不要で育てられます。
購入した苗から、根をくずさずにそっと取り出し、水苔をテグス(釣り糸みたいなもの)でグルグルと固定。テグスが無ければご自宅のミシン糸でも大丈夫。実際に私も屋外で使ったことがありますが、切れることはありませんでした。
ここでさりげないチェックポイントがもう1つ。
小枝を組んで受け皿代わりにしてありますね?これだけの事で、水苔の通気性抜群になります。苔玉も、このように足元に小枝を組んで置くのも良いですね。
それでは植え方、育て方を見ていきましょう。
芽出し球根の植え方・育て方
芽出し球根は、すぐにお花が楽しめるように育てられた植物。そこで、ベランダで育てる植物や秋植え球根と違うところがあるのです。
大まかなポイントは以下のとおり。
- 根をいじらない
- 深く植えない(販売されていた時と同じ高さまで)
- 穴の開いていない器でも育てられる
- 水分過多で根腐れにならないよう注意
- 霜があたるほど冷たい場所に置かない(15℃前後がおすすめ)
これらについて以下に詳しく説明します。
根をいじらない
まず、苗を取り出す時には根をいじらないようにします。ポット苗の場合、窮屈で通気性が悪い状態なので、そのまま放置しないようにしましょう。
寄せ植えする場合は、球根を先に植えてから他の花苗を植えこむ方が安心です。最初にレイアウトを決めたらあまり移動しないようにしましょう。
単独で植える場合は一回り大きな鉢にします。
深く植えない
購入時の姿を見ると、球根がむき出しになっていて風邪をひきそうに見えますが、この球根部分を埋め込む必要はありません。
むしろ埋めてしまうと水分過多で腐ってしまう事があります。土の高さは、購入したときと同じ高さまでにします。花が咲くまでの肥料は必要ありません。
穴の開いていない器でも育てられる
植えこむ器は必ずしも「鉢」である必要はありません。
お気に入りの紅茶の缶やマグカップなどを使っても大丈夫。穴が無くても育てられます。このとき、根腐れ防止にミリオンを底に敷いておくと安心です。
水分過多で根腐れにならないよう注意
先ほども少し触れましたが、水分のやりすぎには注意です。底に穴がある器に植え付けた場合、秋植え球根と同じ水分の扱いでOK。
土の表面が乾いたらたっぷりの水やりをします。この「乾いたら」というのが大事です。メリハリのある水やりをしましょう。
霜があたるほど冷たい場所に置かない
芽出し球根は室内の比較的に涼しい場所(15℃前後)で育てると失敗が少ないです。
日の当たるベランダでも育てられますが、雪や霜がおりるような時や冷たい風が強く吹きそうな場合はお部屋に取り込みます。
お部屋の中でも暖房器具を使っていると、温度差がありますね。暖房の風が当たらない、涼しい場所に置きましょう。
まとめ
芽が出ていない球根を手に入れるにはハロウィン前後頃から。タイミングを逃してしまった場合でも「芽出し球根」ならば、寒い時期から球根を育てられます。
芽出し球根の苗を地中や水苔に植え付けるときには、深く植えないよう、根をあまりいじらないよう気を付けましょう。メリハリのある水やりを。室内の暖房の風が当たらない場所(15℃前後くらい)で育てます。
既に花が付いていれば、温かい室内で2~3週間楽しめます。春を先取りするインテリアにもなります。
ヒヤシンスの場合、根を丁寧に洗ってコップに入れるだけでも素敵。このとき、お水は根にかかるかどうか程度にします。球根部分は裸で大丈夫。
ミリオンA(ケイ酸塩白土)を底に並べると根腐れ防止になって安心です。
芽出し球根は、お花が咲くように温度管理された苗です。たった1つの球根で一足早い春を楽しめますよ。ぜひチェックなさってくださいね。
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