海外では大きなテラコッタが広いお庭に置いてあり、景色とよく馴染んで素敵です。でも、日本の場合はどうでしょう。
苔がすぐ付いたり、土が乾いたりしませんか。
素焼き鉢の保水性と通気性
今回は、植物に合った素焼き鉢について考えます。
駄温鉢・テラコッタ・モスポットの違い
素焼き鉢は色々な種類があります。よく流通している人気の鉢は以下3つ。
今回はこの3種類の素焼き鉢に注目してみましょう。
これら3つはそれぞれ素材や作り方が違うので、デザイン、重さ、硬さ、保水性が違います。この中で、植物環境に直結するのは「保水性」です。
素焼き鉢の保水性比較
photo by 植木鉢の専門店 アールデ
- 保水性・高 ▶ 駄温鉢(だおんばち)
- 保水性・中 ▶ テラコッタ(朱温鉢・しゅおんばち)
- 保水性・低 ▶ モスポット
3種類の中で、1番保水性が高いのが 駄温鉢(だおんばち)。日本で昔から使われているお馴染みの鉢ですね。高温で焼かれていて粒子が細かい素材です。
逆に、通気性の良さに注目すると モスポット が優れていると言えます。多肉植物やサボテンなど、湿度が苦手な植物に向いてます。
環境に合わせて鉢と土を工夫する
本来は、保水性を考えて植物環境にあった鉢を使うのが理想的です。
ですが、その都度鉢を増やすのも大変。既に手元にある鉢を使いたい場合もあります。そこで鉢と土の相性を考えてみましょう。
まず、土の保水力をチェックしてみてください。
すぐに土が乾く場合は?
▲クルミでマルチングした私の鉢
土の配合を変えるか、マルチングをする事で保水性を高める事が出来ます。
マルチングはクルミもオススメ。雨に当たっても丈夫で腐りませんし、見た目も可愛いです。
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くるみの殻でマルチング。木の実や小物と一緒に乾燥防止の土隠し。
なかなか土が乾かない場合は?
保水性が高すぎて、べたーっと苔が鉢のまわりについてしまう。そんな時は、水はけを良くする方法を探ってみましょう。
例えば
などです。
ミリオンA
粗めの珪酸塩白土(けいさんえんはくど)です。水質を浄化し、根腐れを防止、肥料のやりすぎを調整します。水栽培にも使えます。
ポットフット(ポットフィート)
photo by toolbox
鉢の底を上げるための足。デザイン、素材、大きさは色々あります。
お手元にレンガが2、3個あれば代用できます。鉢底から水が流れるように、鉢底穴のスペースを開け、底のフチにかかるよう2~3個置きます。
水はけの他に、地面からの熱や冷えから守ります。
その他、土の再生材は土を手軽に改善できるのでオススメな方法です。
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鉢の他に生育環境をチェックしてみましょう。
苔が付かない!撥水処理をした鉢を選ぶ
素焼き鉢は使い込むと風合い出てきますね。馴染むといい感じなので、早く苔むした感じにする手法もあります。
でも、鉢についた苔が全て良い苔とは限りません。通気性が悪ければ悪いほど、ヌルッとした分厚い苔が付きます。個人的にはその手の鉢を扱うには大変だと思うのです。
▼イメージ
時間が経つとタワシでこすってもなかなか落ちません。ベランダで洗うのも大変です。
もう苔はイヤ!という方は撥水処理を施した鉢を使う手もあります。長い間使っていてもほとんど苔が付きません。
まとめ
鉢は色々な素材があるので迷ってしまいますね。植物を一度植え付けたらそう簡単に変えないので、最初が肝心。
鉢の素材は他に、木製、コンクリート、プラスチック、グラスファイバー、陶器と色々あります。それぞれの良さがあります。
鉢選びに迷ったら今回紹介した「素焼き鉢」から選ぶと扱いやすくなります。夏の暑い日でも温度を逃がし、空気も通してくれます。
保水性をチェックしながら、環境や植物に合わせてお気に入りを見つけましょう。
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