園芸ショップでは、夏も美しいカラーリーフが流通しています。綺麗な白い綿毛がついた葉を持つオレガノディクタムナスもその1つ。
花のような苞やシルバーリーフを長く楽しめるので、寄せ植えにもオススメです。
花オレガノ・ディクタムナス
オレガノ・ディクタムナスは、別名「花オレガノ」「オレガノディクタムナス」「ディタニーオブクリート」とも呼ばれます。
では、特徴と育て方を見ていきましょう。
オレガノ「ケントビューティ」との違い
オレガノといえば「ケントビューティ」が有名で流通も多いです。同じように「花オレガノ」と呼ばれる事があるので混乱してしまうかもしれません。
簡単な見分け方は葉と苞の大きさ。「ケントビューティ」の葉は綿毛は無く、苞も大きいです。オレガノディクタムナスよりも耐暑性耐寒性(-20℃まで耐える)があるので、比較的扱いやすいハーブです。
▼ケントビューティ:葉の産毛が無く苞が大きい
photo by 花みどりマーケット
肉厚で綿毛のある銀葉が美しい
オレガノディクタムナスは、コロンとした肉厚の葉が綺麗。新芽は特に銀色がかり、より一層美しさが際立ちます。
出会ったら、葉に優しく触れてみてください。フェルトのような柔らかい質感です。
苞が可愛い!お花は夏から秋に長く咲く
上画像は7月中旬に撮影。まだお花は咲いていませんでした。一見、お花に見えるのは苞です。ですが、苞はお花を見ているような感動があります。
苞が大きくなると、薄いクリーム色から桃色に変化していきます。この変化の様子やグラデーションが綺麗。産毛の付いたシルバーリーフの上に苞が色づく姿がとても魅力的です。
夏から秋にかけて、苞の隙間から小さな花を咲かせます。
photo by ペットエコ&ザガーデン楽天市場店
カラーリーフだけではなく、可愛らしい苞やお花も楽しめるハーブです。
ドライフラワーとしても楽しめる
剪定した茎をそのまま吊るしておけば、ドライフラワーの出来上がり。
美しい苞や葉を簡単にドライに出来ます。
剪定は、花が終わった後に切り戻しをするとボリュームが出ます。成長が遅いので茎は長めに残してカットしましょう。
ハーブティとして
オレガノは「オリガヌム類」「マヨラナ類」「アマラクス類」に分けられます。料理でよく利用するのは「オリガヌム類」。
今回紹介するオレガノディクタムナスは、花を観賞するハーブなので「アマラクス類」になるのですが、クレタ島ではハーブティーにしています。
photo by http://www.earthflavors.gr
食用とされていない仲間にいながら、わざわざハーブティーとして商品化されているのです。日本では馴染みがありません。
調べたところ、ハーブティとして古くから利用され、抗炎症薬、抗リウマチ薬、風邪、胃腸の痛み軽減などの効果があるようです。
クレタ島に行ったら飲んでみたいですね。
育て方
出典:http://grece-decouverte.blogspot.jp/
原産はギリシャ。上画像のようにロックガーデンにも使われます。
耐寒性多年草で寒さには比較的強い(-10℃程度まで)ハーブです。冬に地上部が枯れてしまったら、少し短く剪定して春まで待ってみてください。
冬場は比較的に扱いやすいですが、暖かくなってきてからの管理には注意しましょう。
「蒸れ」と「強い陽射し」に弱いです。例えば、梅雨時に株元を蒸らしてしまったり、コンクリート上の直射日光に置くと弱ってしまいます。
枯らさないアイディア
茂ってくると蒸れやすくなります。風通しと通気性が良くなる工夫をしてみましょう。
- 寄せ植えする場合は他の苗と少し離す
- 一緒に植える植物は乾燥気味で育つ品種を選ぶ
- 根元の枯れた葉をこまめに取り除く
- 根だけが土に埋まるように植える(※)
- 通気性の良い鉢を使う
(※)根だけが土に埋まるように植える
「茎の部分まで土を被せて植えない」という事です。ディクタムナスは蒸れると弱ってしまいます。茎が常に土に触れているのは良い状態ではありません。
特に寄せ植えする場合は、苗の根の深さが色々です。根が見えるように植えてしまったり、逆に茎まで埋めてしまいがち。株元をチェックしながら植えましょう。
通気性の良い鉢とは
手軽でオススメなのが、ハンギングです。
垂れた姿が美しいので、吊るして育てられるハンギングは見た目にも綺麗。乾燥しやすい環境ですし、日光が強すぎるときは簡単に移動可能です。
鉢で育てる場合、蒸れやすいプラスチック製は避けます。モスポットや坑火石、ちょっと個性的にしたい場合はコンクリート鉢もオススメです。
▼坑火石の鉢
坑火石の鉢は、中の土の温度が上がりにくいので高山植物や山野草に使われています。見た目も個性的で、ロックガーデン気分も味わえるお手軽な鉢。
比較的小さいサイズが多いですが、苗を植えられるサイズがあれば、挑戦するのも楽しいです。
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美しく育てるには
直射日光は苦手ですが、ある程度陽にあてないと美しいグラデーションになりません。真夏以外は半日蔭で陽に当ててあげましょう。
傷んだ葉を剪定するときには、少し長めに残します。花が終わった後に切り戻しをすると、よりボリュームも出て花付きが良くなります。
まとめ
photo by イングの森
今回ご紹介したオレガノディクタムナスは、優しくふんわり、優しい姿をしています。苞が色づいてお花のように変化する様子や白い産毛が美しいハーブです。
こんもりと垂れ下がった葉の姿はとても綺麗。
育て方のポイントは以下のとおり
- 蒸らさない
- 直射日光に当てない
- 柔らかい陽には当てる
- 枯れた葉や茎はこまめに取り除く
日本の環境では少々手がかかりますが、その分愛情もひとしお。ケントビューティとは違ったオレガノの魅力を堪能できます。
美しい苞と銀葉を楽しんでみませんか。